世界がもし100年の物語だったらそして人類は500万年前に生まれました。 この長い時間を100年に縮めてみましょう。 地球は、最初、直径10キロメートルほどでしたが、いん石や小さな惑星が どんどん落ちてきて、13年後に今の大きさになりました。 それから、大きな雨雲におおわれ、どしゃ降りの雨が降りつづきましたが、 雨が上がると、そこには海ができました。 生命はそのとき海で生まれました。 41年目から17年ほどかけて、海の生き物が酸素をつくりました。 それまで単細胞生物しかいなかったのですが、56年目に多細胞の生き物が出現します。 それから88年頃までの30年間、海のなかは さまざまな生物でにぎわい、 たがいに争そうこともなく静かに暮らしていました。 90年から93年にかけて海の植物が上陸しました。 オゾン層ができて危険な紫外線が減ったからです。 94年には哺乳類に似た動物たちが出現して、 世界はしだいに食うものと食われるものとに分かれていきます。 しかしその後半になると、大規模な火山噴火の影響で、 海の生物のほとんどと陸の生物の半分以上が絶滅してしまいます。 やがて95年、恐竜の時代がやってきます。 恐竜はしだいに大きくなり、巨木の葉を食べるため 長い首を持つようになりました。 初期の哺乳類もいます。海のなかでも巨大になった爬虫類などが繁栄しました。 やがて恐竜の一部が翼を手に入れ、空を飛びはじめます。 98年になると花が咲きみだれました。 昆虫が花のまわりを飛びまわり、恐竜や哺乳類が果実を食べ、 花粉や種を広げることに繋がったのです。 あらゆる生き物の食物が連鎖し、ともに暮らしながら ともに進化していったのです。 しかし、恐竜たちの楽園も98年のなかばに終わりをつげます。 つづく |